院長こらむ:副腎のお話 その1

 副腎は、下図のように、左右の腎臓の上の内側に接してあります。長さは、3~5cm、幅2~4cm、厚さ0.5~1.0cm、重さ7g程度の臓器です。この臓器は、小さいですが、非常に重要な臓器です。体外または体内からさまざまなストレス(生命が危ぶまれるような出血や、精神的に緊張を要す出来事など)が加わりますと、副腎から生命維持に必要な種々の物質(ホルモン)を出してバランスを取ろうとします。 副腎の構造は、外側の皮質と内側の髄質に分かれます。さらに、皮質は3層に区別されます。それぞれ、分泌するホルモンが違います。皮質の第1層目(球状帯または顆粒層)からは電解質コルチコイド(アルドステロン)が、第2層目(束状帯)からは糖質コルチコイド(コルチゾール)が、第3層目(網状帯)からはアンドロゲンが分泌されます。髄質は、交感神経節後繊維細胞からなり、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌されます。それぞれのホルモンは、どれも生命維持に必要なものです。
次回、それぞれのホルモンの説明や、副腎の病気について述べてみたいと思います。
 お腹の中を、腸を取り除いた後ろ(後腹膜くう)の縦断面図です。黄色の臓器が副腎です。腎臓の上極の内側に位置します。  今年は、ソメイヨシノの開花が、全国的に早く、玉名温泉水が流れている小さな川の上の桜は、ほぼ満開です(3/21)。