前回は、肥満はBMIから判定すると述べましたが、一般には、見た目で、太っている、痩せていると判断しています。
その見た目に大いに関係するのが脂肪の過多です。脂肪の最小単位の脂肪細胞について述べてみたいと思います。
脂肪細胞には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の二種類に分類されます。
肥満に関係しているのは白色脂肪細胞です。
褐色脂肪細胞は、主に、肩甲間、腎周囲、胸部大動脈周囲に存在し多くはありません。細胞内には、小さな脂肪滴複数個を含み、それに隣接してミトコンドリアを多数内在しています。
働きは白色脂肪細胞から遊離した脂肪酸をミトコンドリアがエネルギーとして消費し、それに伴い、熱産生を起こします。
つまり、悪玉の脂肪酸を減少させ、生体には、善玉の脂肪細胞と言えます。一方、白色脂肪細胞は、皮下や内臓周囲に多量に存在します。
白色脂肪細胞の直径は、通常では70~90μmですが、いわゆる肥満になってくると、脂肪細胞内に脂肪が蓄積されてきて、直径130~140μmの肥大化脂肪細胞となります。さらに進むと、白色脂肪細胞は細胞分裂し、増殖することも分かってきました。このようにして、肥満が進行します。
さて、肥満の型には、皮下脂肪増大型と内臓脂肪増大型に大まかに分かれます。
皮下脂肪増大型は、皮下の脂肪細胞が徐々に肥大化していくもので、臀部肥満または西洋ナシ型肥満の形態になりやすく、女性に多く見られます。
内臓脂肪増大型は、腹部内臓脂肪細胞の肥大化していくもので、腹部肥満またはリンゴ型肥満の形態を示し、男性に多く見られます。
皮下脂肪増大型は、脂肪細胞からインスリン受容体の感受性を低下させる物質は分泌されないため、糖尿病との関連は少ない。
内臓脂肪増大型は、インスリン受容体の感受性低下をきたす種々の物質を分泌するため、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)との関連が強く、いわゆるメタボリックシンドロームの診断基準に腹囲が入っているのはこのためです。
次回は、脂肪細胞から遊離される種々の物質について述べてみたいと思います。
Golden Triangle(右側がラオス、正面がミャンマー、左側がタイ):ケシ栽培が盛んで、麻薬の取引が行われることで有名。ラオス・ミャンマーの両岸にはカジノが建てられていますが、タイ側には、仏様が鎮座していました。 | タイ北端のミャンマーとの国境(Mae Sai border):小川を隔てて他国でした。入国するのに1000バーツ(約3500円)必要です。国境の町は、活気にあふれていました。 |