院長こらむ:副腎のお話 その2

 副腎皮質(外側の層)から産生されるホルモン(変化に応じて体内で造られ、血液の中に分泌されて、他の臓器の働きを助ける物質)を、副腎皮質ホルモンと言います。副腎皮質ホルモンは、働きの違う2種類に大別されます。一つは、糖質コルチコイドで、代表的なホルモンが、コルチゾールです。あと一つは、鉱質コルチコイドで、アルドステロンが主なものです。コルチゾールは、ストレスから体を守り、炎症の制御、糖(炭水化物)の代謝の調節など体にとって無くてはならない重要なホルモンです。アルドステロンは、主に腎臓でナトリウム貯留を促進させるほか、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役目をします。一方、副腎髄質(内部の層)から分泌されるホルモンは、アドレナリンとノルアドレナリンです。これらのホルモンは、心臓や血管や細気管支などに働き、心拍数の上昇、血管を収縮させ、血圧上昇、細気管支の拡張、ブドウ糖を血中に増加させ、代謝の促進など、いわゆる、闘争・逃走反応を起こすものです。このように、生命にとって絶対に欠かせないホルモンを分泌するのが、副腎です。
 副腎皮質ホルモンの持つ、抗炎症作用・免疫抑制作用などに注目して、同等の効果のある合成薬が作られ、副腎皮質ステロイドとして販売されています。ステロイド核という構造を分子中に持つものを、総称してステロイドと呼んでいます。ステロイドの代表的なものが副腎皮質ホルモンです。そのほかに胆汁酸、性ホルモンなどがあります。合成副腎皮質ホルモン(副腎皮質ステロイド)で、最もよく使われている薬がプレドニン(一般名プレドニゾロン)です。薬効の強さや、作用時間の比較は、このプレドニンが基準になっています。
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