院長こらむ:排尿のトラブル その3

 <排尿困難>尿がスムーズに出なく、下腹部に力を入れても満足のいく排尿が出来ない場合です。具体的な症状にはさまざまなものがあります。(遷延性{せんえんせい}排尿)トイレに立って、排尿開始まで時間が掛かる状態を言います。通常は、数秒ですぐに排尿するものですが、いくら力んでも、なかなか排尿に至らず、数分を要することもあります。(苒延性{ぜんえんせい}排尿)尿が出始めてもなかなか終わらない状態を言います。いつまでもタラタラでている状態です。(尿線細小)尿の太さが細く、勢いがない状態を言います。もっとひどくなりますと、チョロチョロ、タラタラしか出ないという表現になります。(尿線途絶)このほかに、切れが悪い(排尿終末時滴下)尿が散らばる(尿線分裂)一度排尿が終わったと思っても、また、すぐに排尿をする(2段排尿)などさまざまな症状があります。排尿困難が高じると、ついには、全く排尿出来なくなり、下腹部が膨隆し、痛みも伴います。この状態を尿閉と言います。よく飲酒後に起こり、クリニックへ急患として飛び込んでこられます。以上の排尿障害の代表的な疾患は、高齢男性にみられる前立腺肥大症です。女性の場合、尿道が4-5cmと短く、尿道抵抗が低いため、まれです。女性にみられた場合は、膀胱に原因(神経因性膀胱、心因性、薬剤性など)があります。
 <乏尿・無尿>排尿困難はあくまでも、膀胱内には、正常量の尿が貯まる状態のもので、腎臓から、尿生成が少なく、尿が出ないと訴えられるものは、乏尿・無尿と言います。一般に、1日尿量が400ml以下の場合を乏尿と言います。何らかの原因で腎機能が低下した状態です。早急に原因検索・治療が必要です。

玉名・高瀬裏川花菖蒲